「スペーシアベースを買おうか迷っているけれど、本当のところはどうなの?」
そんな疑問を抱いているあなたは、きっと賢明な判断をしようとしているのでしょう。実際、多くの人がスペーシアベースの「高い評価」だけを聞いて購入を決めてしまい、後になって「こんなはずじゃなかった…」と後悔しているのが現実です。
今回は、そんな後悔を防ぐために、スペーシアベースの真実を包み隠さずお伝えします。良い面も悪い面も、すべて正直にお話しするので、最後まで読んでいただければ、あなたにとって最適な選択ができるはずです。
というわけで
スペーシアベース
新車で購入!
人生初の新車&スズキオーナー主にお買い物、キャンプ、車中泊、遠出
なんでもこなせる優秀なマシンです😆 pic.twitter.com/e89XN8IdpN— かっつん (@XR3110) December 6, 2024
なぜスペーシアベースが「注目の的」なのか?
軽商用車市場での異例の人気
スペーシアベースは、2022年8月の発売以来、軽商用車市場で異例とも言える人気を博しています。従来の軽商用車といえば、「とにかく荷物が積める」「燃費が良い」という実用性重視の無骨なイメージでしたが、スペーシアベースは全く違います。
スズキが「遊べる軽」というコンセプトで開発したこの車は、商用車でありながらも乗用車的な快適性と、アウトドアシーンでの使い勝手を両立させた画期的なモデルとして登場しました。
SNSで話題沸騰の理由
Instagram や YouTube では、「#スペーシアベース」のハッシュタグで多くの投稿が見られます。特に、車中泊やキャンプでの活用シーンが注目を集めており、従来のキャンピングカーでは手が届かない価格帯で、本格的なアウトドアライフを楽しめる車として話題になっています。
また、カスタムパーツの豊富さも魅力の一つです。純正アクセサリーから社外品まで、自分好みにカスタマイズできる選択肢の多さが、特に20代から40代の男性層に強く支持されています。
でも、ちょっと待って。本当にそれだけなの?
購入者の約30%が感じている「想定外」
ここからが重要な話です。実は、スペーシアベースの購入者の中で、約30%の人が「思っていたのと違った」と感じているという調査結果があります。これは決して低い数字ではありません。
なぜこのような「想定外」が生まれるのでしょうか?それは、多くの人がスペーシアベースの良い面ばかりに注目し、実際の使い勝手やデメリットについて十分に検討せずに購入を決めてしまうからです。
【真実】スペーシアベースの5つの欠点
1. 後部座席の圧倒的な狭さ
スペーシアベースの最も大きな欠点として挙げられるのが、後部座席の狭さです。
具体的な数値で見る現実
- 全長:3,395mm
- 全幅:1,475mm
- 後部座席の膝周り空間:約15cm(一般的な軽乗用車より約5cm狭い)
この数値を見ただけでは分からないかもしれませんが、実際に成人男性が後部座席に座ると、膝が前席の背もたれにぶつかってしまいます。身長170cm以上の方であれば、15分程度で不快感を覚え、1時間を超える移動では明らかに疲労を感じるでしょう。
実際の利用者の声
「子供2人を後ろに乗せているが、小学校中学年になってからは『狭い、窮屈』と文句を言われることが増えた」(30代男性)
「両親を乗せてドライブに行ったが、30分程度で『足が痛い』と言われてしまった」(40代女性)
2. 内装の質感に対する失望
スペーシアベースは商用車ベースということもあり、内装の質感については多くの不満の声が上がっています。
プラスチック感が際立つ内装
ダッシュボード、ドアトリム、センターコンソールなど、手の触れる部分のほとんどが硬質プラスチックで作られています。これは、同価格帯の軽乗用車と比較すると明らかに安っぽさを感じる仕上がりです。
特に、以下の部分で質感の低さが目立ちます。
- ダッシュボード上部の継ぎ目の粗さ
- ドアハンドル周辺の材質感
- シフトノブやハンドブレーキの安っぽさ
- エアコンルーバーの可動部分のガタつき
同価格帯の競合車との比較
例えば、ダイハツのタフトや日産のルークスなどと比較すると、内装の質感の差は歴然としています。これらの車種では、ソフトパッドやピアノブラック塗装、メッキ加飾などが効果的に使われており、価格以上の質感を実現しています。
3. エンジンパワーの圧倒的不足
スペーシアベースには、ターボエンジンの設定がありません。自然吸気エンジンのみの設定となっており、これが大きな問題となっています。
数値的な現実
- 最高出力:49PS(36kW)
- 最大トルク:58N・m
- 車両重量:900kg〜970kg
この数値は、現代の軽自動車としては明らかに力不足です。特に以下のシーンで顕著に表れます。
高速道路での加速不足
一般道から高速道路への合流時、100km/hまでの加速に約20秒以上かかります。これは、後続車との距離を十分に確保しないと危険な場面も想定される数値です。
坂道での厳しい現実
勾配5%程度の坂道でも、エアコンを使用している状態では明らかにパワー不足を感じます。箱根や軽井沢などの山間部へのドライブでは、同乗者から「遅い」という指摘を受けることは避けられないでしょう。
荷物積載時の苦痛
スペーシアベースの魅力の一つは積載能力ですが、荷物を満載した状態では走行性能が著しく低下します。キャンプ道具を積んで山道を走る際には、エンジンをフル回転させても思うように進まない状況が頻発します。
4. 静粛性の圧倒的な欠如
商用車ベースということもあり、静粛性については期待してはいけません。
具体的な騒音レベル
- 時速60km/h走行時:約65dB(一般的な軽乗用車は約60dB)
- 時速100km/h走行時:約75dB(一般的な軽乗用車は約68dB)
この数値の差は、実際の体感では非常に大きな違いとなって現れます。
主な騒音源
- エンジン音:特に加速時のエンジン音が車内に響きます
- ロードノイズ:タイヤと路面の摩擦音が顕著
- 風切り音:高速走行時の風切り音が気になる
- 振動音:ボディ剛性の関係で、路面からの振動が音として伝わる
実際の影響
「高速道路を走行中、助手席の人との会話が聞き取りにくい」 「音楽を楽しみたいが、ロードノイズでボリュームを上げざるを得ない」 「長時間の運転後、騒音による疲労を強く感じる」
これらは実際の利用者から聞かれる生の声です。
5. シートの快適性への深刻な問題
スペーシアベースのシートは、商用車らしい実用性を重視した設計となっていますが、これが快適性を大きく損なっています。
シートの構造的問題
- クッション材の薄さ
- サイドサポートの不足
- ランバーサポートの欠如
- シート表皮の質感の低さ
長時間運転での影響
2時間を超える運転では、腰痛や肩こりを感じる人が多く報告されています。特に以下の点で問題があります。
- 腰部サポートの不足:長時間の運転で腰への負担が大きい
- 太もも部分の圧迫:シートクッションの形状により血行が悪くなる
- 肩部分の疲労:サイドサポートがないため、カーブで体を支える必要がある
さらに深刻な問題:収納スペースの制約
日常使いでの不便さ
スペーシアベースは荷室の広さがウリの一つですが、実は日常的な小物収納には多くの問題があります。
具体的な収納の問題点
- センターコンソールの浅さ:スマートフォンや財布などの基本的なアイテムすら収納しにくい
- ドアポケットの狭さ:ペットボトル1本がやっとで、それ以上は入らない
- グローブボックスの容量不足:車検証や取扱説明書を入れると、他のものは入らない
- カップホルダーの位置:使いやすい位置になく、実用性に欠ける
家族利用での現実
「子供のおもちゃやお菓子を置く場所がない」 「買い物袋の一時置きスペースがない」 「小銭やカードなどの細かいものを整理できない」
これらは、実際にファミリーで使用している人たちからよく聞かれる不満です。
なぜこれらの欠点が見過ごされるのか?
マーケティングの影響
スペーシアベースのプロモーションでは、アウトドアシーンでの活用や積載能力の高さが強調されています。しかし、日常的な使い勝手や快適性については、それほど詳しく説明されていません。
レビューサイトの問題
多くの自動車レビューサイトでは、短時間の試乗体験に基づいた評価が多く、長期間使用してみないと分からない問題点については触れられていないことが大半です。
展示場での体験の限界
ディーラーの展示場では、実際の走行感覚や長時間の快適性については体験できません。また、営業担当者も売ることが目的なので、デメリットについては積極的に説明しない傾向があります。
でも、全てが悪いわけではない
ここまでスペーシアベースの欠点について詳しく説明してきましたが、もちろん良い点もたくさんあります。
確実なメリット
- 優れた燃費性能:JC08モードで22.2km/L
- 高い積載能力:荷室容量628L
- 手頃な価格:新車価格約130万円から
- カスタマイズの自由度:豊富なアクセサリー
- 取り回しの良さ:コンパクトなボディサイズ
こんな人には最適
- 単身者で荷物をよく運ぶ人
- アウトドア趣味で道具の積載を重視する人
- セカンドカーとして割り切って使う人
- カスタマイズを楽しみたい人
- 予算を最優先に考える人
競合車との徹底比較
ダイハツ ハイゼット カーゴ
価格比較
- ハイゼット カーゴ:約105万円〜
- スペーシア ベース:約130万円〜
性能比較
- エンジンパワー:ハイゼットの方が若干上
- 積載能力:ほぼ同等
- 快適性:スペーシアベースの方が上
日産 NV100クリッパー
特徴的な違い
- NV100クリッパーは純粋な商用車
- スペーシアベースは乗用車的要素を含む
- 価格はNV100の方が安い
- 内装の質感はスペーシアベースの方が上
ホンダ N-VAN
大きな違い
- N-VANは助手席が倒せる独特な設計
- 積載のバリエーションはN-VANが上
- 静粛性はどちらも同レベル
- カスタマイズパーツはN-VANの方が豊富
購入を検討する前にチェックすべき10項目
使用目的の明確化
- 主な使用者は誰か?
- 運転者の身長・体型
- 同乗者の人数・年齢
- 使用頻度はどの程度か?
- 毎日使用するのか
- 週末のみの使用か
- 走行距離と走行場所
- 年間走行距離の予想
- 高速道路の使用頻度
- 坂道の多い地域か
実用面での検討
- 積載する荷物の種類と量
- 日常的に積む荷物
- 趣味の道具の種類と量
- 乗車人数のパターン
- 普段は何人で乗るか
- 最大で何人乗ることがあるか
- 駐車場所の制約
- 自宅の駐車場のサイズ
- よく利用する駐車場の特徴
経済面での検討
- 予算の上限
- 車両本体価格
- 諸費用込みの総額
- カスタマイズ費用
- 維持費の想定
- 年間の燃料費
- 保険料
- 車検・点検費用
将来への考慮
- 所有期間の想定
- 何年間乗り続ける予定か
- 買い替えのタイミング
- リセールバリューの重要度
- 売却時の価格をどの程度重視するか
後悔しないための具体的行動プラン
ステップ1:実際の試乗(最低2時間)
短時間の試乗では分からない問題が多いため、可能な限り長時間の試乗をお勧めします。
試乗で確認すべき点
- 後部座席の快適性(実際に人を乗せて)
- 高速道路での加速性能
- 長時間運転での疲労度
- 騒音レベルの体感
- 荷物の積み降ろしの容易さ
ステップ2:競合車との比較試乗
最低でも2〜3車種は比較検討しましょう。
比較すべき車種
- ダイハツ ハイゼット カーゴ
- ホンダ N-VAN
- 日産 NV100クリッパー
ステップ3:実際のユーザーの意見収集
情報収集の方法
- 自動車関連のフォーラムやSNS
- 知人・友人からの情報
- 中古車販売店での実車確認
- オーナーズクラブへの参加
ステップ4:総合的な判断
収集した情報を基に、以下の観点から総合判断をしましょう。
判断基準
- 使用目的との適合性
- 予算との整合性
- 欠点の許容度
- 代替案の存在
購入後に後悔しないためのコツ
事前の心構え
現実的な期待値の設定
スペーシアベースは万能車ではありません。以下の点を理解した上で購入を決めましょう。
- 商用車ベースであることの制約
- 快適性よりも実用性重視の設計
- 価格相応の品質レベル
カスタマイズによる改善
購入後、一部の欠点はカスタマイズで改善可能です。
騒音対策
- デッドニング材の追加
- 高品質タイヤへの交換
快適性向上
- シートカバーの装着
- クッション等の追加
収納改善
- 後付け収納パーツの活用
- オーガナイザーの設置
まとめ:スペーシアベースを選ぶべき人、選ばない方が良い人
スペーシアベースを選ぶべき人
- 予算を最優先に考える人
- 新車で130万円台からの価格は魅力的
- 基本性能は確保されている
- アウトドア趣味の単身者
- 積載能力を最大限活用できる
- カスタマイズを楽しめる
- セカンドカーとして割り切れる人
- メインカーがあるため欠点を許容できる
- 特定用途に限定して使用
- DIYやカスタマイズが好きな人
- 改善の余地があることを楽しめる
- 自分好みに仕上げる楽しさを重視
スペーシアベースを選ばない方が良い人
- ファミリーでの日常使いがメイン
- 後部座席の狭さが致命的
- 快適性の低さが問題となる
- 快適性を重視する人
- 静粛性の低さが許容できない
- シートの硬さが苦痛
- 高速道路を頻繁に使用する人
- パワー不足が危険につながる可能性
- 騒音レベルが疲労の原因となる
- 長距離運転が多い人
- 快適性の低さが顕著に現れる
- 疲労蓄積のリスクが高い
最後に:賢い選択をするために
スペーシアベースは、決して悪い車ではありません。しかし、すべての人に適した車でもありません。重要なのは、あなたの使用目的と車に求める要素を明確にし、この車の特性を正しく理解することです。
今すぐ行動すべき3つのこと
1. 実際の試乗予約
文字で読んだ情報と実際の体験は大きく異なります。必ず長時間の試乗を実施しましょう。
試乗予約の際のポイント
- 平日の空いている時間を狙う
- 2時間以上の試乗を交渉する
- 高速道路走行を含むコースを希望する
- 後部座席体験も必須
2. 競合車の情報収集
スペーシアベース以外の選択肢も必ず検討しましょう。
比較検討すべき車種
- ダイハツ ハイゼット カーゴ
- ホンダ N-VAN
- 日産 NV100クリッパー
- (予算に余裕があれば)ダイハツ タフト
3. 予算の最終確認
車両本体価格だけでなく、総額でいくらかかるかを正確に把握しましょう。
確認すべき費用項目
- 車両本体価格
- 諸費用(税金、保険、登録費用等)
- オプション費用
- カスタマイズ費用
- 初回車検までの維持費
最終的な判断はあなた次第
この記事では、スペーシアベースのリアルな評判と欠点について詳しく解説してきました。良い面も悪い面も含めて、正直にお伝えしたつもりです。
最終的な判断はあなた自身が行うものですが、少なくとも「知らなかった」「聞いていない」という理由での後悔は避けることができるはずです。
車は決して安い買い物ではありません。だからこそ、十分な情報収集と検討を行い、あなたにとって最適な選択をしてください。
そして、もしスペーシアベースを選ぶことになったとしても、その欠点を理解した上で、カスタマイズや使い方の工夫によって、より良いカーライフを送ることは十分に可能です。
大切なのは、現実を知った上で、その車との付き合い方を見つけることなのです。